抗議文

さいたま市長 清水勇人 さま

この度、さいたま市は、新型コロナウィルスの感染防止措置として、①放課後児童クラブ②認可保育所③認定こども園④私立幼稚園⑤小規模保育事業所⑥事業所内保育事業所⑦認可外保育施設⑧障害児通所支援所、以上8区分のこども関連施設について、職員用マスクの配布を始めました。

しかし、ここには大宮にある埼玉朝鮮初中級学校(幼稚部も併設)が含まれていません。

感染病対策の一環として同校にも休校を促す「新型コロナウイルス感染症対策のための外国人学校等における対応について(事務連絡)」が届いています。これに関連して、厚生労働省では休校措置に伴う施策として「新型コロナウイルス感染症による小学校休業等対応助成金」を実施することとしましたが、この助成制度においては学校教育法上の「各種学校」である朝鮮学校などもその対象に含むこととなりました。

奇しくも本日は、9年前に東日本大震災があった日です。当時、仙台にある朝鮮学校で行われた炊き出しには多くの日本の市民も参加し国籍や民族の区別なく分かち合いました。  

同様に1995年の阪神淡路大震災の折には兵庫県下の朝鮮学校の炊き出しに多くの日本の市民が参加しました。

困ったときに垣根を越えて共に助け合う、この当然のことをさいたま市ができない理由が果たしてあるのでしょうか?

さいたま市は、2014年3月に発表した『国際化推進基本計画』で、「外国人市民もくらしやすいまちづくりを目指し、互いの文化や習慣のちがいを認め合い、対等な関係を築こうとしながら、地域社会の一員として共に生活し環境を共有する多文化共生の社会づくりを推進します」と宣言していますが、朝鮮学校排除はこの精神に明らかに反します。

私たちは、この度のマスク配布措置の対象に、朝鮮学校が含まれていないことについて、これを人権上、また人道上も、到底看過できない、許し難い行為として断固抗議するとともに、早急にその対象に同校を含むことを強く求めます。

2020年3月11日

在日本朝鮮人人権協会

東京都台東区台東3-41-10-3F 

会長 金奉吉