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金賢玉さんへのインタビュー(『人権と生活』35号、2012年)

金賢玉さんのご逝去(2024年7月)を受けて、本協会の会報『人権と生活』35号(2012年)に掲載した金賢玉さんへのインタビュー記事をオンライン公開しました。ぜひご一読ください。

*関連記事:追悼・金賢玉さん――同胞の生に寄り添った総聯活動家/朴金優綺

MBSラジオの番組内における暴言問題について

 ※2023年4月3日追記有

 本年2月21日、関西のAM放送局であるMBSラジオの番組『上泉雄一のええなぁ!』において、ゲストスピーカーであった上念司氏が、朝鮮学校に対して「スパイ養成的なところ」と発言するなど、朝鮮学校に通う生徒をはじめ在日朝鮮人の人権を脅かし、またそれを扇動するような、到底看過できない発言を繰り返し、番組においてそのまま放送されました(詳細は以下「質問状」参照)。

 今回、それが個人ではなく極めて公共性の高い民間放送局の番組においてなされたことは、その社会的影響から極めて重大な問題があると考え、人権協会傘下の関西3団体(大阪人権協会・兵庫人権協会・京都協議体)の連名で3月3日付で質問状を送り、社の立場を確認したところ、MBSラジオ社からは、3月14日付の回答が送られてきました。

 MBSラジオ社の回答によれば、本協会からの質問状を受けて、①3月10日の当該番組内の放送において「お詫び」をし、②同3月10日の1日の間、「お詫び」(以下画像参照)をMBSラジオサイト内の当該番組の紹介ページで掲載したこと、③YouTube上で配信されている当該放送分につき、「スパイ養成的なところもあったり」という発言部分のみをカットしたこと(配信自体は継続)が確認されました。

 しかし、本回答における、当該発言が「子どもたちの人権を守る」論旨からなされたとの主張は到底首肯しうるものではなく、その他質問にも真正面から答えるものではないこと、かつ「お詫び」の内容も不十分であるのみならず掲載が1日に限られるものであったこと、さらにYouTube上の配信については当該発言をカットするのみでなんの説明も付記されていないことなど、あまりに対応として不誠実かつ不十分なものであると言わざるをえません。

 したがって、人権協会傘下の関西3団体は当該「質問状」およびMBSラジオ社の回答および現在の対応を公表し、その問題性を改めて喚起するとともに、引き続きMBSラジオ社の誠実な対応を求めます。

2023年3月15日

※ ※ ※ 以下、4月3日 追記 ※ ※ ※

 MBSラジオ社の不十分な対応を受けて、改めて「抗議・要請書」を3月24日、MBSラジオ社役員との直接面談の場において提出しました。「抗議・要請書」に、その後の経緯も反映されています。以下、 「抗議・要請書」 原文を転載します。

抗議・要請書

3月24日

                              在日本朝鮮人大阪人権協会
                             在日本朝鮮人兵庫人権協会
                           在日本朝鮮人人権協会京都協議体

私ども在日本朝鮮人人権協会は、本年2月21日に放送された貴社ラジオ番組『上泉雄一のええなぁ!』のゲストスピーカーであった上念司氏が、下記の通り発言(一部抜粋)した件につき、3月3日付の質問状を送付し、貴社の立場を確認するとともに抗議をしてまいりました。

その後、貴社は、質問状について3月14日付で回答し、当該回のオンライン配信について一部のみをカットし、3月10日のわずか1日のみ「お詫び」を番組ホームページ内に掲載しました。

しかし、貴社から送付された上記回答は、私どもの質問に明確に答えるものではないばかりか、当該発言内容が、総じて朝鮮学校の名誉を毀損し、朝鮮学校ひいては在日朝鮮人への攻撃を煽るメッセージ性をもった極めて危険な発言であるという深刻な問題性をまったく認識しておらず、公共性・公益性を有する放送局としての責任を受け止めるものではありませんでした。とりわけ、上念氏の当該発言は「子どもたちの人権を守る」ことが論旨であるとした貴社の見解はおよそ首肯できるものではなく、上念氏、ひいては自社を擁護するための詭弁としか受け止めることができません。

また、番組ホームページ上に掲載された「お詫び」の内容も、あくまで「誤解を与える内容」であったことについてのみ言及する極めて不十分な内容であるのみならず、その「お詫び」すら、1日のみ掲載するというあまりに不誠実な対応でした。

そうした対応を受け、私どもが一連の事実を公表した後、貴社に対する批判の声はより大きくなり、各メディアにおける報道においても大きくとりあげられたことから、貴社は、番組ホームページに掲載していた「お詫び」を再掲し、インターネット上で配信していた当該回を停止するに至りました。

貴社の説明によれば、「朝鮮学校生徒らへの二次被害を防止するために1日のみのお詫びの掲載をした」とのことですが、およそ理由になっていないばかりか、「二次被害」が起こりうるような危険性を認識しているのであれば、より誠実に、より具体的な対応をとるべきでした。それにも関わらず、上記の対応以外なんらの措置もとられてこなかったことから、3月20日に実施された貴社との直接面談の場で、朝鮮学校保護者とともに改めて抗議の意思を伝えるとともに、翌日の上念氏出演回における本人による謝罪の意の表明、また質問状への明確な回答および再発防止のための取り組みの実施の要請を行いました。

しかしながら、謝罪の意の表明はおろか、居直るような発言を繰り返す上念氏を当該番組に通常通り出演させるなど、むしろ貴社は「お詫び」に表明していた立場すら放棄し、上念氏の発言を追認する立場に立ったものと判断せざるをえない対応に終始しました。

高まる貴社への批判の声を背景に、3月23日、貴社は上念氏の番組降板を公表しましたが、同日、当該番組Twitterアカウントにて、改めて上念氏の発言が「ヘイトスピーチにはあたらない」との見解を表明し、上念氏が自身のYouTubeチャンネルにおいて「最後まで守ってくれたスタッフの皆さん、上泉雄一さんありがとう!」と書いているとおり、貴社は上念氏を降板させる判断をとりつつも、上念氏と認識においてその差はなく、今後も同様の発言を「論評」として許容する立場であることは明白です。

いうまでもなく、私どもは、上念氏の降板によって問題が解決したとは全く考えていません。かつての京都朝鮮学校襲撃事件やウトロ放火事件をみても明白なように、在日朝鮮人を標的としたヘイトクライムが頻発している昨今の社会状況の中で、公共性の高い放送局においてこうした発言が跋扈することが、いかに在日朝鮮人、とりわけ朝鮮学校の保護者や生徒たちの日常に恐怖をもたらしているか、今一度、想像力を働かせて抗議の声を誠実に受け止め、公共性・公益性を有するマスメディアとしての責任を果たすべきことを貴社に繰り返し強く求めます。

そこで、私どもは、本日の貴社との直接面談の場において、改めて本件について強く抗議するとともに、以下、要請いたします。

併せて、貴社が具体的にどのように取り組まれるのかについて、本年3月末日までに書面による回答を求める次第です。

要 請

  • 本件に関する事実の経緯、および在日朝鮮人への差別を許さず、いかなるヘイトも容認しないという貴社の立場を明確にしたステートメントを発表し、当該番組ではなく貴社のホームページ上に一定期間掲載すること。
  • 公共性・公益性を有するマスメディアとしての責任と使命を自覚し、社内教育をはじめとした、再発防止のための取り組みを継続的に行うこと。

以上

 

当該「抗議・要請書」に対し、3月31日、MBSラジオ社より本協会に直接回答が手渡され、その内容に関する説明がありましたので、これを公表します。

 回答にあたり、3月24日の直接面談で表明された保護者など当事者の声を社として重く受け止める中で、朝鮮学校・民族教育に対する無理解があったことを表明し、その「知見を深める努力」を具体的に進める旨の表明がありました。しかし、依然として上念氏の発言については「ヘイトスピーチにはあたらず論評である」との見解を撤回していません。

 また、要請項目に掲げた、社としての反差別・反ヘイトのステートメントの発表も否定する内容であり、およそ不十分な内容と判断せざるをえません。これについては、「コンプライアンス憲章」がすでに掲示されている旨の回答がありましたが、今回の事態はこの憲章が掲げられている中で起こったことであり、本件についての具体的な対応としてはなんの説明にもなっていません。再発防止策として、本件の個別具体的な経緯を反映させたステートメントが発表されてこそ、はじめて意味のあるものとなるはずです。

 回答および説明を受け、MBSラジオに限らず、今後マスメディア全般において同様の事態が発生しないよう、BPOへの申し立てをする判断をし、3月31日付の申立書を4月1日に送付しました。

 引き続き、今回の問題について注視いただければと思います。

2023年4月3日

抗議文

さいたま市長 清水勇人 さま

この度、さいたま市は、新型コロナウィルスの感染防止措置として、①放課後児童クラブ②認可保育所③認定こども園④私立幼稚園⑤小規模保育事業所⑥事業所内保育事業所⑦認可外保育施設⑧障害児通所支援所、以上8区分のこども関連施設について、職員用マスクの配布を始めました。

しかし、ここには大宮にある埼玉朝鮮初中級学校(幼稚部も併設)が含まれていません。

感染病対策の一環として同校にも休校を促す「新型コロナウイルス感染症対策のための外国人学校等における対応について(事務連絡)」が届いています。これに関連して、厚生労働省では休校措置に伴う施策として「新型コロナウイルス感染症による小学校休業等対応助成金」を実施することとしましたが、この助成制度においては学校教育法上の「各種学校」である朝鮮学校などもその対象に含むこととなりました。

奇しくも本日は、9年前に東日本大震災があった日です。当時、仙台にある朝鮮学校で行われた炊き出しには多くの日本の市民も参加し国籍や民族の区別なく分かち合いました。  

同様に1995年の阪神淡路大震災の折には兵庫県下の朝鮮学校の炊き出しに多くの日本の市民が参加しました。

困ったときに垣根を越えて共に助け合う、この当然のことをさいたま市ができない理由が果たしてあるのでしょうか?

さいたま市は、2014年3月に発表した『国際化推進基本計画』で、「外国人市民もくらしやすいまちづくりを目指し、互いの文化や習慣のちがいを認め合い、対等な関係を築こうとしながら、地域社会の一員として共に生活し環境を共有する多文化共生の社会づくりを推進します」と宣言していますが、朝鮮学校排除はこの精神に明らかに反します。

私たちは、この度のマスク配布措置の対象に、朝鮮学校が含まれていないことについて、これを人権上、また人道上も、到底看過できない、許し難い行為として断固抗議するとともに、早急にその対象に同校を含むことを強く求めます。

2020年3月11日

在日本朝鮮人人権協会

東京都台東区台東3-41-10-3F 

会長 金奉吉

「幼保無償化」制度からの朝鮮幼稚園排除に対する在日本朝鮮人人権協会抗議談話

今年5月10日に「改正子ども・子育て支援法」が国会で成立し、10月の消費税増税と同時にいわゆる「幼保無償化」制度が実施されることになったが、法律上、各種学校の運営する幼児教育施設のみが制度の対象外とされた。

制度の対象には、認可施設である幼稚園、保育園、認定こども園に限定されず、広く認可外の施設も含まれているにも関わらず、全体の約0.16%に過ぎない各種学校認可の外国人学校の施設についてのみ制度の適用外としたことは、意図的な排除と断じざるを得ない。

朝鮮学校をふくむ各種学校の施設を制度の対象外とした理由につき、政府は「各種学校は、同法(学校教育法)1条の学校とは異なり、幼児教育を含む個別の教育に関する基準はなく、多種多様な教育を行っており、また児童福祉法上、認可外保育施設にも該当しないため、無償化の対象とならない」としたが、これはなんの説明にもなっていない。「多種多様な教育」は積極的に推進されるものでありこそすれ、排除の理由になるはずがない。

日本も加盟する国連教育科学文化機関(ユネスコ)の31回総会で採択された「文化的多様性に関する世界宣言」(2001.11.2)第2条には、「地球上の社会がますます多様性を増している今日、多元的であり多様で活力に満ちた文化的アイデンティティーを個々に持つ民族や集団同士が、互いに共生しようという意志を持つとともに、調和の取れた形で相互に影響を与え合う環境を確保することは、必要不可欠である。すべての市民が網羅され、すべての市民が参加できる政策は、社会的結束、市民社会の活力、そして平和を保障するものである。」とあるが、政府の説明は、この世界の潮流である精神と根本的に対立するものであり、排除ありきの後付けの理屈としか言いようがない。

これまでも日本政府は、たとえば国連の場で朝鮮学校への補助金不支給問題につき追及を受けたところ、「朝鮮籍を含め外国人の子供については、公立の義務教育諸学校について日本人児童生徒と同様に無償で教育を受けることができ、就学の機会の確保を図っている」、したがって差別などしていない、朝鮮人児童、外国人児童は日本の学校に行けばいいと居直るように繰り返している。このような政府のスタンスは、多様性を否定し、かつ子どもたちの肯定的な民族的アイデンティティ形成に欠かせない民族教育を否定する極めて暴力的なものである。

私たちは、あらためて「幼保無償化」制度からの外国人学校施設排除、そして在日朝鮮人の民族教育の場を切り崩していく政府当局の姿勢に対し強く抗議するとともに、「子ども・子育て支援の内容及び水準について、全ての子供が健やかに成長するように支援する」という法律の趣旨に立ち返り、朝鮮学校を含む外国人学校が運営する施設についても公平に制度を適用することを求める。

2019年9月11日
在日本朝鮮人人権協会
会長 金奉吉

◯人種差別撤廃委員会◯

▼第4回 日本政府報告書審査(第10・11回報告、2018年8月)

日本政府報告書(日本語、2017年7月)

-人種差別撤廃委員会より発表された質問テーマリスト(日本語訳、2018年6月22日)

-日本政府報告書審査に向けて提出したNGO合同レポート(2018年7月)

-人種差別撤廃委員会による総括所見

▼第3回 日本政府報告書審査(第7~9回報告、2014年8月)

-人種差別撤廃委員会による総括所見

-第3回日本政府報告書審査(2014年8月)の総括所見中、パラグラフ17(外国人の女性およびマイノリティ女性たちに対する暴力),18(「慰安婦」),22(部落民の状況)に関してフォローアップ情報提出した文書

在日朝鮮人の人権を侵害する制裁措置の廃止を求める意見書

在日本朝鮮人人権協会「在日朝鮮人の人権を侵害する制裁措置の廃止を求める意見書」を発表しました。(2017年10月30日)

在日朝鮮人の人権を侵害する制裁措置の廃止を求める意見書(本文・PDF)

재일조선인의 인권을 침해하는 제재조치페지를 요구하는 의견서(本文朝鮮語版・PDF)

Written opinion:we demand abolishment of the sanctions infringing upon the human rights of Korean residents in Japan (Summary, 30 Oct 2017)

朝鮮学校差別(無償化・補助金等)に関する弁護士会会長声明等

[弁護士会声明等]

[その他]

◯女性差別撤廃委員会◯

▼2016年 日本政府報告書審査(第7・8回報告)

-日本政府報告書事前審査(2015年7月)に向けて提出したNGO合同レポート

-女性差別撤廃委員会より発表された質問リスト(2015年7月30日)

-日本政府報告書審査(2016年2月)に向けて提出したNGO合同レポート

-総括所見