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『人権と生活』61号目次

人権と生活_61号表紙

■主張   収容と送還の暴力に反対し、反レイシズム法制を求める声を

■【特集】戦後日本の在日外国人政策とその「思想」を考える

◇戦後日本の外国人政策とその「思想」 …… 岡本雅享

◇レイシズムとしての「日本人ファースト」を批判するために …… 梁英聖

◇日本の学校で学ぶ外国につながる子どもたちの思いから見えてくる社会・学校・教員の課題 …… 李幸美

◇外国籍者の法的地位を不安定化する永住資格取消 …… 丸山由紀

◇ヘイトを扇動・利用してきた入管――「偽装難民問題」キャンペーンと「ゼロプラン」 …… 永井伸和

■インタビュー

◇許貞夫さん/ウリハッキョの魅力、民族教育の素晴らしさを同胞社会に伝えたい

■民族教育

◇東京の多摩地区で朝鮮学校を支える …… 中野宣子

■トピック

◇博士課程支援制度「SPRING」の「日本人」限定方針が問うもの

 ○「SPRING」問題があぶり出す「日本人」の境界 …… 大室恵美

 ○脱植民地主義的視点からみるSPRING運動と在日コリアンの課題:不可視化される他のマイノリティへの包摂の眼差し …… 碧詞

■連載

差別とヘイトのない社会をめざして(20)いつも「日本人ファースト」だった …… 前田朗

■寄稿

愛知県におけるヘイト根絶へ向けた取組みについて …… 郭勇祐

■会員の事務所訪問/李英徳さん(司法書士)

みんなのもてる力や知恵を出し合って、目の前の同胞をサポートしていきたい

■書籍紹介~人権協会事務所の本棚から~

■注目ニュース

■人権協会活動ファイル 2025・5~2025・10

■資料 在日同胞・在日外国人人口統計、在日同胞帰化許可者数統計

『人権と生活』61号 主張

収容と送還の暴力に反対し、反レイシズム法制を求める声を

 「私は刑務所を知らないが、話によると刑務所とまったく同じである。いやそれより悪い。[……]何としてもいまだに納得いかないのは、収容所の係官の態度の横柄さである。刑事犯罪人でもこのようなひどい言動や態度でとりあつかわれまいというほど野卑で乱暴だ。[……]『オイ金』『コラ朴』『ホレ李』と若い担当の声が響く。収容所はまがいもなく日本政府の朝鮮人蔑視の露呈であることを、骨身にしみて味わった」

 かつて「監獄以上の監獄」と呼ばれ、解放直後に日本から朝鮮に渡った後に生活困難や朝鮮戦争の影響等で再び日本に入国した朝鮮人などを「不法入国者」扱いし、強制送還するまでの場所として使用された長崎の大村収容所に収容されたある朝鮮人の証言だ(『在日朝鮮人の基本的人権』在日朝鮮人の人権を守る会、1977年、74頁より再引用)。

 同収容所には、日本への再入国者のみならず、植民地期から日本に居住し、外国人登録証の常時携帯・呈示義務をはじめとする外国人登録令の諸手続に違反したとされた者も多数収容され、1950年代だけでも約1万5千人の朝鮮人が強制送還された(同上、60頁)。1952年以降は韓国政府が送還者の受け入れを拒否したため、多くの同胞が食事や医療も劣悪な、鉄条網と高いコンクリート塀で二重に取り囲まれた鉄格子の付いた部屋で長期収容された。同胞らはたびたび即時釈放と待遇改善を要求したが、収容所当局は武装警官を導入し、「殺せ」の合言葉で一斉に被収容者に対する暴虐の限りを尽くし、数多くの朝鮮人を殺傷した(同上、62頁)。

 こうした悪辣な朝鮮人強制送還の法的根拠となった出入国管理令は、日本の朝鮮植民地支配によって日本で生活せざるを得なくなった朝鮮人の在留権を日本政府当局が無視・侵害し、その一斉追放をも可能とする、卑劣なレイシズムに基づく朝鮮人強制追放政策の基盤として機能したといえる。

 そして2025年の現在、同令をその根源とする出入国管理及び難民認定法の度重なる改悪を背景に、日本の入管当局は「国民の安全・安心のため」という排他的なナショナリズムに満ちた名目を掲げ「不法滞在者ゼロプラン」なる政策を5月に公表し、実際に同月以降4ヶ月間で出国命令を含む計6,000人以上の外国人を強制送還した(出入国在留管理庁「「国民の安全・安心のための不法滞在者ゼロプラン」実施状況」2025年10月)。

 この中には、2023年の同法改悪を受けて難民認定申請中にもかかわらず送還停止効の例外が適用されて送還された者も含まれているところ、国際的な人権基準に沿えば当然にその在留権が保障されるべき人々も少なくないと考えられる。つまり、人権の国際基準に照らして在留権を保障すべき人々の権利を踏みにじりながら、その存在を日本の国境外へと強制追放することで自国のレイシズムないしナショナリズムを恥ずかしげもなく発露・強化・拡大させているのが現在の日本の入管法制の姿であり、そのやり口はかつての在日朝鮮人強制追放政策と地続きのものであるといえよう。

 そして、こうした公権力が主導するレイシズムと排外主義に基づく入管法制が70年以上にわたって維持されてきた結果、私たちは今日「日本人ファースト」なるレイシズムを扇動するスローガンがかくもたやすく市井に膾炙(かいしゃ)する惨憺たる日常を生きている。

 しかし、そのような状況であればこそ、私たちは孤立せず、繋がり、暗い時代をどうにか生き延びていきたい。歴史的背景は違えど、故国に戻りたくても戻れず、他に行くあてもなく、愛する家族や友人との離別の恐怖と不安で明日すら展望できない難民や非正規滞在の人々が置かれている状況は、在日朝鮮人が置かれてきた/いる状況とあまりに重なる。

 日本の入管法制が在日朝鮮人に対するレイシズムを起源としながらその排除と管理の対象を肥大化させているのであれば、あらゆる辛苦を経験し、未だ在留権を完全に保障されていない在日朝鮮人こそが当局に否の声を突きつけ、反レイシズムの法制度を求めていかなければならない。それこそが、日本の継続する植民地主義・排外主義からの在日朝鮮人の真の解放に繋がるのではないだろうか。

 そして私たちにはすでに数々の貴重な運動成果―—収容所当局による非人道的な処遇と強制送還に反対して断食闘争を繰り広げ、収容所の実態を外部に訴える文書の発送と収容所内での行動の自由を勝ち取った経験、朝鮮民主主義人民共和国への帰国を希望しついに実現した経験、入管当局による退去強制令書発付処分の取消しや無効確認を求める在留権訴訟を提起し数々の勝訴を実現した経験など――がある。こうした得難い成果は、現在に続く日本の醜悪なレイシズムを総体として掘り崩していく糸口ともなるはずだ。先代の闘いに学び、隣人と手を携えながら、絶望だけではない未来に向けてともに歩んでいきたい。

『人権と生活』60号 主張

覚悟をあらたに、日本の植民地支配責任を問い続けよう

 「え、なぜね。謝りもせんと逝きよって」

 解放から80年を迎える今年、沖縄で日本軍の性奴隷を強いられた裴奉奇さんが裕仁天皇死去に際しこぼしたという言葉が改めて想起される。

 日本政府は今日にいたるまで、植民地支配の過程で行った朝鮮人民に対する非道の限りを尽くした加害責任への真摯な謝罪どころか、加害の歴史への真摯な向き合いにもとづいた真相究明・賠償・教育・再発防止などの措置をネグレクトしてきた。

 植民地支配責任を問う世界の潮流は、冷戦の終結を機とし、日本軍性奴隷制サバイバーをはじめとした重大な人権侵害の被害者たちとその子孫たちが過去の加害事実の承認や謝罪などを求めて声をあげたことによって1990年代に勢いを増した。そして2001年のダーバン世界会議で植民地支配や奴隷制の責任が国の枠をこえて公的に問われて以降、世界各地で徐々にではあるが現代のレイシズムの源泉たる植民地支配の責任や加害の歴史に真摯に向き合う動きがみられるようになり、人権の尊重が国際社会共通の規範としてより共有されるようにもなった。

 日本でもその時分、日本軍性奴隷制の強制性を認めた1993年の「河野談話」や、「植民地支配と侵略によって」とりわけアジア諸国の人々に対して与えた多大の損害と苦痛に対し「心からのお詫びの気持ち」を表明した1995年の「村山談話」が発出され、それらを土台とし、世界の流れに沿っていくことが期待された。しかしながら日本は植民地支配の加害の歴史否定という逆流にのまれてしまった。しかも、その逆流を先導してきたのは為政者たちだ。第一次安倍内閣による「軍や官憲によ るいわゆる強制連行を直接示すような記述」が見当たら ないとした「河野談話」を事実上否認する答弁書の閣議決 定(2007年)、日本の朝鮮植民地支配について触れもせず加害責任を無視しようとする態度を鮮明にした「安倍談話」(2015年)、菅政権下における歴史教科書からの「従軍」削除と「慰安婦」記載が適切との閣議決定(2021年)…こうした動きに相乗りした地方政府によって、差別と人権をテーマとしていた大阪人権博物館は閉館に追いやられ、「群馬の森 朝鮮人犠牲者追悼碑」は強制撤去されてしまった。さらには歴史否定の動きを煽る保守・右派メディアによる偏重情報をもとにネット上を這いまわっている偏見やデマが、在日朝鮮人の命と安全を著しく脅かすヘイトクライムをも引き起こしている。解放から80年、惨憺たる現状が、目の前にある。

 しかし、だからこそ、思い起こそう。日本による植民地支配を起因として存在する在日朝鮮人が、その存在意義をかけて解放直後から、解放されたはずの朝鮮人に対し植民地主義的な政策でのぞむ日本政府に抵抗し続けてきたことを。大日本帝国主義崩壊直後から朝連などを中心に在日朝鮮人のなかで取り組まれてきた植民地支配責任を問う試み(本誌48号鄭栄桓論考参照のこと)から今日まで、在日朝鮮人による日本の加害責任を真正面から問い質す闘いが、日本各地で多彩な形で受け継がれてきたことを。

 沖縄の地で朝鮮人としての誇りを持って共に生きていこうと日本帝国主義に踏みにじられた裴奉奇さんを支え続けた在日朝鮮人活動家たちの寄り添い、祐天寺に安置された「浮島丸事件」犠牲者を含む朝鮮人の遺骨700体の故国への奉還実現にむけた活動、継続する植民地主義が生み出した構造的問題から朝鮮学校に対する差別を考える在日朝鮮人と日本人学生のあゆみ、いまも冷たい海底に眠る朝鮮人労働者136人をはじめとする長生炭鉱水没事故犠牲者に光を当て救い出そうとする取り組み、日本軍性奴隷制サバイバーたちの生きざまと日本政府への怨念と真の解放への願いを日本の首都のどまんなかから世界に轟かせた在日朝鮮人青年たちのアクション。

 解放から80年間、歴史的不正義の是正を求め、日本政府が葬ろうとしている加害の事実を丹念に掘り起こし、日本の植民地支配責任を追及し続けてきた在日朝鮮人の闘いの一つひとつも、植民地主義の克服を希求する世界の潮流に少なからぬ影響をあたえてきたということに、矜持をもとう。

 そして今一度、植民地主義が克服されぬまま排外主義が跋扈する日本の現状を前に、覚悟を強くもとう。凄惨な過去が繰り返されないために、そして次世代の安寧のために立ち上がった裴奉奇さんをはじめとする歴史の証人たちの意志を継ぎ、日本の朝鮮植民地支配にともなう責任と継続する植民地主義の責任を正面から問い続けていくのは、他ならぬ今を生きる私たちでなければならないという覚悟を。

『人権と生活』60号目次

人権と生活_60号表紙

■主張 覚悟をあらたに、日本の植民地支配責任を問い続けよう

■【特集】朝鮮解放・分断/日本敗戦80年と日本の植民地支配責任

◇新たに植民地支配と継続する植民地主義の責任を問う ……康成銀

◇奉還されなかった強制連行犠牲者の遺骨

――分断と差別の真只中の私たちが立ち上がるために ……西澤清

◇長生炭鉱の水没犠牲者の遺骨を遺族のもとに

――日本は朝鮮と国交正常化・真の植民地支配の清算を ……金静媛

◇日本にもあった「慰安所」

――生産現場に作られた産業「慰安所」、「慰安婦」とされた朝鮮の女性たち ……梁裕河

◇〈日本軍性奴隷制の否定を許さない4.23アクション〉の

始まりと10年の軌跡 ……朴金優綺

◇大学生が歴史や差別とどう向き合い、実践するか

――「コルム~朝鮮学校と共に歩む大学生ネットワーク~」の経験から ……伊集院隆史・李詩穂

■インタビュー

◇空野佳弘さん/日本の負の歴史と真摯に向き合い、民主主義を守る闘いを続けよう

■民族教育

◇第三初級学校とともに歩む!

―支援する、されるという関係ではなく、理解し合うことを大切に― ……渡辺千鶴

■トピック

◇在日クルド人に対するヘイトを許さない

-共生社会の実現に向けた法と社会の責任- ……金英功

■連載

差別とヘイトのない社会をめざして(19)

脱植民地フェミニズムの可能性 ……前田朗

■会員訪問

変化する情勢、厳しい状況が続く中でも自身の軸をもって ……金泰植さん(昭和女子大学国際学部国際学科 准教授)

■会員エッセイ

群馬を訪れて ……李愛玲さん

■書籍紹介~人権協会事務所の本棚から~

■注目ニュース

■人権協会活動ファイル 2024・11~2025・4

■資料 在日同胞出生・死亡統計、在日同胞婚姻統計、在日同胞離婚統計

韓国法務部やソウル中央警察を名乗る詐欺電話にご注意ください(2025.5.26)

 最近、少なからずの同胞に、ソウル中央警察国際犯罪捜査係だとする人物や、韓国の法務部から連絡があり、あなたの口座や旅券が他人に悪用されていると言ってくる詐欺電話がかかってきています。

 それらの電話の主は、電話を受けた当事者の名前を知っており、何らかの方法で本人の名前と電話番号の情報を入手した上でかけてきていることとなり、さらにはかけてきている電話番号の表示も実際のソウル中央警察のものであったり、法務部のものであったりする巧妙さを伴っているので注意が必要です。

 皆さま、こういった電話があった場合は、慌てて相手の指図するままに動かず、その真贋の判断に悩む場合でも「法律の専門家に相談するので連絡先のメールアドレスを教えてください」「もしくは法律の専門家に相談するのでまた明日に電話ください」とでも伝えた上で、当協会にご相談下さい。

在日本朝鮮人人権協会
〒110-0016 東京都台東区台東3-41-10-3F
電話03-3837-2820 FAX03-5818-5429
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『人権と生活』59号 主張

結成30周年を迎えて

 1994年2月に結成された在日本朝鮮人人権協会は今年で結成30年を迎えた。

 この間、既に鬼籍に入られた崔一洙初代会長、柳光守元会長、趙鏞復元会長、白文鉉元副会長をはじめとする多くの方々が、同胞専門家による同胞のための人権擁護、法律・生活サポートを行う組織の結成とその発展のために心血を注がれた。

 結成当初わずか2人だった弁護士会員が今では70人に達しようとしていることをはじめ、有資格者会員は200人を優に超えるに至るなど、会員数も大幅に増えた。

 そしてこの間、資格を持つ会員はその持てる専門知識を活かして同胞たちへの無料法律相談活動を各地で展開し、研究者や活動家の会員は会報『人権と生活』においての論考や様々な実践活動を通して多くの問題提起を同胞社会・日本社会に投げかけるなどして、会員それぞれがその力を発揮し、同胞の人権・生活状況の改善に努めてきた。

 とりわけ民族教育への露骨な制度的差別をはじめとする同胞への不当な差別や弾圧に対しては多くの取り組みを行ってきた。「高校無償化」制度からの朝鮮学校排除など未だ解決できていない問題も少なくないが、大学入学資格問題やそれに続く形で取り組んだ朝鮮大学校生及びその卒業生の国家資格試験の受験資格問題では、在学中における税理士試験・保育士試験の受験をできるようにするなど、多くの成果を勝ち取った。最近においても幼保無償化制度の代替措置(いわゆる「新支援策」)の朝鮮幼稚園適用やさいたま市による朝鮮幼稚園へのマスク不支給撤回、大阪のMBSラジオにおける朝鮮学校への差別妄言への抗議行動により、同社の謝罪および再発防止措置を勝ち取るなど、会員たちが大きな役割を果たしている。

◇◇◇

 人権協会が結成された1994年は日本が子どもの権利条約に批准した年でもある。

 昨年にはこの条約の精神に則った「こども基本法」も施行されたが、朝鮮学校をはじめとする外国人学校に通う子どもたちへの差別は未だ無くならず、「高校無償化」排除やそれに連動するように拡がった朝鮮学校に対する自治体の補助金停止措置など、子どもの権利条約に明らかに抵触する差別が今なおまかり通っている。

 また、今年の通常国会においては入管法が「改正」され、技能実習制度の改編等に伴い永住者資格を持つ者の増加が見込まれるからという「理由」から、永住資格の取り消し要件が大幅に拡大された。

 「わが国に永住する異民族が、いつまでも異民族としてとどまることは、一種の少数民族として将来困難深刻な社会問題となることは明かである。彼我双方の将来における生活と安定のために、これらのひとたち(在日朝鮮人)に対する同化政策が強調されるゆえんである。すなわち大いに帰化してもらうことである。・・・・・ここでも、南北のいずれを問わず彼らの行う在日の子弟に対する民族教育に対する対策が早急に確立されなければならない」

 これは、日本と韓国が国交を結んだ1965年に内閣調査室(現在は内閣情報調査室)が発行した『調査月報』7月号の中に記されたものだが、当時、国交樹立にあたって在日朝鮮人に対し永住資格を認めざるを得ない(とはいってもこのときの「協定永住」は韓国の在外国民登録をした者に限るものだったが)と考えた日本政府内の本音を如実に顕している。そしてこの年の年末「朝鮮人として民族性または国民性を涵養することを目的とする朝鮮人学校は、わが国の社会にとって、各種学校の地位を与える積極的意義を有するものとは認められない」とする文部事務次官通達が、都道府県知事らに向けて出された。

 外国籍の永住者増加への拒否感、それと表裏の関係を持つ民族教育への否定的対応、この日本政府の姿勢が60年前と大きくは変わっていないことを昨今の状況は雄弁に物語っている。

 とりわけこの30年間は、群馬の森の朝鮮人追悼碑撤去や小池都知事による関東大震災時の朝鮮人犠牲者を追悼する式典への追悼文送付拒否、チマチョゴリ切り裂き事件、在特会による朝鮮学校襲撃事件、ウトロ放火事件に象徴されるように、歴史修正主義、また、それに連動した排外主義が官民問わず蔓延る時代でもあった。

◇◇◇

 このように人権協会の前には30年前の結成時に勝るとも劣らない課題が山積している。この間の多くの方のご尽力・ご支援への敬意と感謝の思いを胸に刻みながら、これまでの経験を糧にして今後より一層在日朝鮮人の権利擁護と生活支援を軸にした人権活動に邁進したい。

『人権と生活』59号目次

人権と生活_59号表紙

■主張 結成30周年を迎えて

■【特集】在日朝鮮人差別の構造とその打開に向けて~在日本朝鮮人人権協会結成30周年を迎え~

◇クロストーク「90年代以降の在日朝鮮人差別の構造」 ……鄭栄桓・藤永壮・金星姫

◇リレートーク「現場の声を聞く」 ……康仙華・任真赫・金星姫

■インタビュー

◇顧問・姜惠眞さん/権利擁護運動史の新時代への転換点

■トピック

◇2024年通常国会における入管法および入管特例法改定について

――永住資格の取り消し要件拡大と有効期間問題を中心に ……金東鶴

■連載

差別とヘイトのない社会をめざして(18)変わり始めた憲法学

――レイシズム憲法学から非差別憲法学へ ……前田朗

■追悼 金賢玉さん

同胞の生に寄り添った総聯活動家 ……朴金優綺

■会員の事務所訪問

矛盾と不条理に立ち向かい、同胞にとって心強いと感じてもらえる弁護士を目指して ……白充さん(弁護士)

■書籍紹介~人権協会事務所の本棚から~

■人権協会活動ファイル 2024・5~2024・10

■資料 在日同胞・在日外国人人口統計、在日同胞帰化許可者数統計、人権協会30年のあゆみ<1994ー2024>、在日外国人無年金問題に関する打越さく良議員による質疑[参議院厚生労働委員会、2024年5月30日]、在日外国人無年金問題解決へ向けた要望[年金制度の国籍条項を完全撤廃させる全国連絡会、2024年8月1日]


金賢玉さんへのインタビュー(『人権と生活』35号、2012年)

金賢玉さんのご逝去(2024年7月)を受けて、本協会の会報『人権と生活』35号(2012年)に掲載した金賢玉さんへのインタビュー記事をオンライン公開しました。ぜひご一読ください。

*関連記事:追悼・金賢玉さん――同胞の生に寄り添った総聯活動家/朴金優綺