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◯人種差別撤廃委員会◯

▼第4回 日本政府報告書審査(第10・11回報告、2018年8月)

日本政府報告書(日本語、2017年7月)

-人種差別撤廃委員会より発表された質問テーマリスト(日本語訳、2018年6月22日)

-日本政府報告書審査に向けて提出したNGO合同レポート(2018年7月)

-人種差別撤廃委員会による総括所見

  • [英語原文][日本語(NGO訳)]

▼第3回 日本政府報告書審査(第7~9回報告、2014年8月)

-人種差別撤廃委員会による総括所見

-第3回日本政府報告書審査(2014年8月)の総括所見中、パラグラフ17(外国人の女性およびマイノリティ女性たちに対する暴力),18(「慰安婦」),22(部落民の状況)に関してフォローアップ情報提出した文書

『人権と生活』46号 巻頭言

だれもが自分自身を解放できる同胞社会づくりを目指して

朝鮮半島をめぐる冷戦の終結に向け、歴史的な平和への胎動が起きている。

4月27日、全世界が注目する中、祖国分断の象徴である板門店で北南首脳会談が開催された。両国の首脳が手を取り合い、ともに軍事境界線を乗り越える姿は、軍事的対立、民族の反目、そして家族の離散を経験してきたすべての朝鮮同胞に深い感動を与えた。在日同胞高齢者のための通所介護事業所「いこいのマダン」(愛知県名古屋市)では、1世のハルモニ、ハラボジらがテレビ中継を見守り、両首脳が握手をした瞬間、「今日まで生きてきて本当によかった」と涙を流したという。板門店宣言にあるように、「途切れた民族の血脈を結び、共同繁栄と自主統一の未来を早めていく」ことは、「これ以上先送りできない時代の切迫した要求である」。1世らの思いを私たちはしっかりと受け止め、民族の悲願である統一を現実のものにしていかなければならないだろう。

朝鮮半島のダイナミックな動きに追随するかのように、「拉致問題」の解決を御旗に「制裁」強化を声高に叫び続けてきた日本政府も、ようやく「対話」を口にするようになった。しかし、日本政府が真に「対話」を望むならば、その前に正すべきことがあるだろう。同じ4月27日、「制裁」一辺倒の国の意向を汲むかのように、朝鮮高校「無償化」裁判で名古屋地裁は「請求棄却」という不当判決を出した。広島、東京に続き、子どもたちの朝鮮学校で学ぶ民族教育の権利を踏みにじった。同胞高齢者や障がい者の無年金問題も然り、一切の救済措置もなく年金制度から除外されたままである。本来であれば、率先して差別を解消すべき国が自ら制度的に差別を作り出している。そしてこのような土壌で、民族差別、蔑視、誹謗中傷はますます拡散し続けている。

過去の侵略と植民地支配への無反省、日本政府が「対話」を実りあるものにしたいならば、ただちにこのような態度をあらため、国を挙げての在日朝鮮人への人権侵害をやめるべきである。

私たち在日朝鮮人は、植民地支配期から現在にいたるまで引き続くこの植民地主義に抗い、日本当局の露骨な差別と抑圧をはねのけ、自らの権利を守るため、老若男女を問わず一丸となって団結してきた。それは民族の尊厳と生存権を賭けた闘いであったし、先述した未解決の権利獲得のため、これからも代を継いで運動を続けなければならない。

それと同時に、私たちはこれまでの闘いの中で見落としてきた、あるいは置き去りにしてきた問題にも取り組む必要があるだろう。すなわち、在日朝鮮人の権利獲得という大きな課題のもとで看過されがちであった、高齢者、病や障がいのある人、子どもや女性、セクシャルマイノリティなど、同胞社会の中でもとりわけ弱い立場にある人たちへの差別である。かのじょ・かれらは、在日朝鮮人という集団に対する民族差別に加えて、その集団である同胞社会の内外においても、それぞれの差別に遭遇している。そのため、例えば、障がいがあるかどうか、男性であるか女性であるかによって、同じ同胞社会の構成員であっても複合的な差別を経験し、より大きな不利益を受けている。私たちはそのような事実を直視し、かのじょ・かれらが直面する問題を運動に反映させてきただろうか? 在日朝鮮人をとりまく状況が過酷だからといって、私たちが帰属する同胞社会内部の抑圧的な構造や差別には鈍感ではなかっただろうか?

私たちの運動は、在日朝鮮人の権利を守る運動であり、同胞一人ひとりの尊厳と人権を守る闘いである。これまで抑圧の対象であった私たちが、決して抑圧や差別に加担する側に立ってはいけない。世代交代が進み、同胞社会の構成員も多様化する中、私たちはだれもが安全で、安心して、自由に自分自身を解放できる同胞社会づくりを目指さなければならない。

『人権と生活』46号・目次

‥∵‥∴∴‥∵‥∴人権と生活 46号 (2018年6月)5月30日販売∴‥∵‥∴∴‥∵‥

■主張:だれもが自分自身を解放できる同胞社会づくりを目指して

【特集】在日朝鮮人と複合差別

◇ハンセン病と在日朝鮮人―解放後における新たな闘い……金貴粉

◇在日無年金差別と在日障害者と出会って……鄭明愛

◇[座談]京都ハッキョの保健室運営と「セクシュアルマイノリティ」をテーマにした保健授業について……沈香福・宍戸友紀

◇在日同胞社会におけるジェンダーフリーについて考えてみる―「在日同胞のジェンダー意識に関するアンケート」結果報告書を参考に……康仙華

■インタビュー

◇角田義一弁護士/群馬朝鮮人追悼碑訴訟をめぐって

■寄稿

◇朝鮮学校「無償化」除外と在日朝鮮人の子どもたちの教育権……朴金優綺

◇山口朝鮮学校の保健室運営について……松岡節子

■連載

◇差別とヘイトのない社会をめざして(6)/差別とテロを容認する日本政府とメディア ―「ニュース女子」問題、朝鮮総連本部銃撃テロ事件……前田朗

■会員エッセイ

◇平昌オリンピック総聯応援団に参加して……李全美

■会員の事務所訪問

◇ハナ国際法律事務所 朴憲浩さん/同胞弁護士として、腹を括って闘っていきたい

■最近の同胞相談事情

■書籍紹介―人権協会事務所の本棚から

■ニュースTOPICS

■人権協会活動ファイル

■資料

在日朝鮮人の人権を侵害する制裁措置の廃止を求める意見書

在日本朝鮮人人権協会「在日朝鮮人の人権を侵害する制裁措置の廃止を求める意見書」を発表しました。(2017年10月30日)

在日朝鮮人の人権を侵害する制裁措置の廃止を求める意見書(本文・PDF)

재일조선인의 인권을 침해하는 제재조치페지를 요구하는 의견서(本文朝鮮語版・PDF)

Written opinion:we demand abolishment of the sanctions infringing upon the human rights of Korean residents in Japan (Summary, 30 Oct 2017)

『人権と生活』45号 巻頭言

「忖度」と「ダブルスタンダード」がまかり通る中で

森友・加計問題で一躍脚光を浴び、今年の流行語大賞の最有力候補の一つとなるであろう「忖度」。

さてこの「忖度」だが、はたして官僚の専売特許と言えるだろうか? かつて「KY(空気を読めない)」という言葉が流行ったこの日本社会には、あらゆるところにこの「忖度」が蔓延しているのではないか。森友・加計問題で官僚の「忖度」を追及したマスメディアも例外ではない。10年ほど前、某全国紙の記者の間で次のような話が交わされたという。「なぜ北朝鮮が飛ばしたミサイルの場合は他国の時のように『発射実験』とはならず『発射』となるのか?」「でも他紙も北朝鮮の場合は『発射実験』とは書かない」「うちだけ『発射実験』と書いてしまうのは…」。悩んだ末、その会話の翌日の一面記事は「…ミサイル7発」。「発射」とも「発射実験」とも書くのを避けた表現にしたらしいが、結局その後、他紙同様「実験」といった言葉が続かない「発射」という表現に落ち着いてしまった。

こういったあり様はインターネットで検索すればすぐ確認できる。

米国や韓国に対しては「米がICBM発射実験…攻撃能力示し北に圧力」(読売新聞2017年4月27日)、「韓国ミサイル、北全域を射程に 射程800キロ試射に『成功』」(産経BIZ 2017年4月6日)と「実験」「試射」といった言葉が用いられる。一方で朝鮮民主主義人民共和国に対しては「北朝鮮ミサイル 4発同時発射 政府、新迎撃体制検討」(毎日新聞2017年3月7日)「北朝鮮、ミサイル発射失敗か 韓国軍、種類など分析中」(朝日新聞2017年4月29日)、「北ミサイル発射を受け、首相官邸でNSC開催」(読売新聞2017年4月29日)といったように、どの新聞社もまるで示し合わせているかのように「実験」等の言葉を用いない。これらの報道において仮に「実験」といった言葉が付いていれば、避難訓練や電車を止めるような、実効性に疑問符が付く過剰としか言いようのない対応を取ることへの理解は得られにくいであろうし、そもそも市民の反発を恐れてそんなことは行わないかもしれない。

弾道ミサイルや核のみならず人を殺傷する兵器は、それが一度に数十万人であれ、1000人であれ100人であれ、たとえ1人であっても無いに越したことはない。しかし、核兵器禁止条約にも背を向ける核保有国などが他国の核保有を批判する資格、根拠はどこから生まれるのか? 7000もの核弾頭を持つ国が、朝鮮戦争の休戦協定を平和協定にするためのテーブルに着くことすら拒否し続け、核先制使用のオプションまで維持し続けるとしている中、それへの脅威を感じ、ライオンを前にしたハリネズミのように身構えることがそんなに不自然なことであろうか? 少なくとも一方的に責められるようなことであろうか? そのことをマスコミはどれほど報じてきたのか? 脅威を煽り、自らの支持率の回復、また改憲をはじめとした戦争が出来る国づくりを進める政権に、結局はマスコミも一役買っているとは言えまいか?

朝鮮学校に対する「高校無償化」からの排除問題や自治体による補助金停止問題においても、この「ダブルスタンダード」がまかり通っている。アメリカンスクールで広島・長崎への原爆投下をどう教えているかなどは不問にされる一方、朝鮮学校については教育内容に対して干渉し、やれ「反日」だ、何だと差別の「大義名分」にしようとしたりまでする。また実際に経理上の不祥事を起こした日本の私立学校はその後も「高校無償化」の適用対象からは外されない一方で(生徒に罪はないので当然だが)、朝鮮学校は、不確かな情報をもって「疑わしい」として適用除外とされる。

「高校無償化」裁判では、不当にも広島地裁と東京地裁が、まさに行政への「忖度」としか言いようのない判決を出した。文科省の前事務次官が「制度の門を開き申請を受け付け、審査もしていたのに、政治判断でいきなり門を閉じた」「極めて理不尽」(神奈川新聞2017年9月13日)とまで言っているほど事実は明白であるにもかかわらず、政府が後付けで詭弁を尽くして描いたストーリーをそのまま認めてしまったのだ。一方で、大阪地裁判決はこれとは真逆の判断を示し、原告側の全面勝訴となった。事実を事実通り認定し、良心を以て法と正義に基づく判断を出したのである。

これらの裁判は、全て控訴審で再び争われる。来年には地裁判決が出ることになるであろう愛知と福岡の裁判、また、今年初めに不当判決が出た大阪府と大阪市を訴えた補助金停止裁判も含め、これからも裁判闘争が続く。

「忖度」と「ダブルスタンダード」によって子どもたちの学ぶ権利まで翻弄される状況に終止符を打つべく、より多くの人々と手を携えながら裁判闘争を闘い抜いていきたい。

 

 

『人権と生活』45号・目次

∴‥∵‥∴∴‥∵‥∴人権と生活 45号 (2017年12月)11月6日発売∴‥∵‥∴∴‥∵‥∴

■主張:「忖度」と「ダブルスタンダード」がまかり通る中で

【特集】「無償化」裁判の勝利に向けて

◇「無償化」訴訟広島判決について……平田かおり

◇力をあわせて勝ち取った大阪地裁判決……金英哲

◇東京朝鮮高校生「高校無償化」国賠訴訟の地裁判決について……李春熙

◇全国行脚でめぐった全国の朝鮮学校での出会い……長谷川和男

◇すべての子どもたちには学ぶ権利がある!―韓国で拡がる朝鮮学校支援運動……孫美姫

■インタビュー

◇田中宏さんに聞く/「無償化」裁判各地判決を受けて

■寄稿

◇「制裁の10年」がもたらしたもの―朝鮮人道支援の現場から考える……米津篤八

◇個人的体験から考える対朝鮮「制裁」……康成銀

■連載

◇差別とヘイトのない社会をめざして(5)/人種差別撤廃条約・日本政府報告書を読む……前田朗

■会員エッセイ

■会員の事務所訪問

◇武蔵国分寺法律事務所 全東周さん/多摩地域を支える身近な弁護士に

■寄稿

◇NPO法人 同胞法律・生活センター20年―同胞の安心、明日を後押し……殷宗基

■最近の同胞相談事情

■書籍紹介―人権協会事務所の本棚から

■人権協会活動ファイル

■資料

在日朝鮮人の人権を侵害する制裁措置の廃止を求める意見書

『人権と生活』44号・目次

∴‥∵‥∴∴‥∵‥∴人権と生活 44号 (2017年6月)∴‥∵‥∴∴‥∵‥∴

■主張:差別とヘイトの連鎖を断ち切るために

【特集】差別とヘイトのない社会へ

◇大阪朝鮮学園補助金裁判判決に見る「歴史の偽造」 ―大阪府私立外国人学校振興補助金制度の創設をめぐって……藤永壮

◇広島における運動実践―官・民あげての差別に抗して……村上敏

◇震災後の「外国人犯罪」の流言と現在……郭基煥

◇ヘイトスピーチ解消法と部落差別解消法―地域社会における「両輪」の方途……山本崇記

◇監視とルールの提案によって新しい反差別運動を―反レイシズム情報センター(ARIC)の差別監視活動から……梁英聖

◇排外主義と主流LGBT運動 —「ヘイト」概念を超えて……マサキチトセ

■インタビュー

◇人間を苦しめる差別をなくしたい……石田貞さん

■寄稿

◇二重の隠蔽としての「北朝鮮」報道 ―怒り・バッシング・悪魔化……森類臣

◇朝鮮のろう者と触れ合って―手話で日朝の懸け橋に……桑原絵美

■連載:差別とヘイトのない社会をめざして(4)

◇欧州における反差別法・政策の紹介……前田朗

■会員エッセイ

◇「学生だからこそ」出来ることがある―大学生ウリハッキョサポーターズの挑戦…柳学洙

■最近の同胞相談事情

■書籍紹介―人権協会事務所の本棚から

■年金制度改正と在日同胞―同胞の年金相談の事例から

■資料

◇在日同胞・在日外国人 人口統計

◇在日同胞帰化許可者数統計

◇在日同胞 死亡・出生統計

◇在日同胞婚姻統計

◇在日同胞離婚統計