文部科学大臣  遠山 敦子 様
2003年7月29日
要望書
 わたしたちは、民族学校をはじめとする外国人学校出身者の国立大学への受験資格を求めている団体です。
 外国人学校出身者の受験資格問題は、日本の学校制度のあり方が問われる課題として注目されており、昨年度から新聞やテレビなどでも盛んに取り上げられています。
こうした中で今年3月、文部科学省が朝鮮・韓国・中華・ブラジル・フランス(一部)などの外国人学校を置き去りにしたまま、一部の外国人学校のみに受験資格を与える方針を持っていたことが明らかになりました。これに対して全国各地から抗議の声が寄せられ、文部科学省はこの方針を即座に凍結するに至りました。文部科学省が外国人学校に対してとってきた差別的対応に多くの人々が反対しているのです。さらに、国連人権問題小委員会や日本弁護士連合会などから、重大な人権侵害だとして、今まで幾度となく是正勧告を受けているにもかかわらず、日本政府は改善の努力をしてきませんでした。わたしたちは、文部科学省に対して、従来の差別政策を即時に改め、外国人学校出身者に受験資格を認めるよう求めます。
7月になって、京都大学の部局長会議は、「大学としては民族学校出身者に受験資格を認める準備が整っている」ことに合意しました。そして、京都大学を含む複数の国立大学に対して、朝鮮高級学校出身者が来年度の受験資格認定の申請をおこなっています。受験資格の認定は個別大学も裁量をもつと学校教育法施行規則第69条6項にも明記されているのですから、各国立大学が受験資格を認定する権利を持っているのは言うまでもないことです。しかしながら、文部科学省は「民族学校には受験資格がない」と頑なに言い続けることで、多くの大学の権利を侵害してきました。その結果、国立大学の77%が「受験資格を与えたい」と考えている(朝日新聞調査結果、7月2日朝刊掲載)にもかかわらず、国立大学は独自にそれを実行できないでいます。これが、国立大学に対する圧力でなくてなんでしょうか。その実態は看過できません。
日本において民族教育を受け、日本の大学で専門的教育を受けることを渇望する在日外国人は数多く存在しています。外国人学校出身者の学ぶ意欲の実現に、国境の壁、民族の壁、国公私立の別をおいてはなりません。日本に住む日本人以外の人々の教育を受けていることを理由に大学受験資格を制限するなどもってのほかであり、「子どもの権利条約」への明確な違反行為でもあります。日本政府は民族教育を積極的に保障すべきです。なかでも、日本の植民地支配が故にこれだけ多くの朝鮮人が日本に住んでいるということ、日本こそ植民地支配下で朝鮮人の民族教育を奪っていった張本人であることを考えれば、朝鮮人の民族教育を保障することは日本政府の責任です。一刻も早い受験資格差別の撤廃は、大学で学ぶ在日朝鮮人をはじめとする在日外国人にとっても、ひいては他の学生や教職員にとっても豊かな教育環境を創出することに資するものになるとわたしたちは考えます。

 以下の二点を要求します。

一、 文部科学省は民族学校出身者をはじめ外国人学校出身者の国立大学への受験資格を認めること。

一、 国立大学に対して掛けている不当な圧力を取り除き、学校教育法施行規則第69条6項を適用し、受験資格の認定を各国立大学の判断に任せること。


提出団体
     京都工芸繊維大学への民族学校出身者の受験資格を求める連絡協議会
     民族学校出身者の京大への受験資格を求める連絡協議会
     民族学校出身者の受験資格を求める阪大連絡協議会
     民族学校出身者の東大への受験資格を求める連絡協議会
     民族学校出身者の農工大への受験資格を求める連絡協議会
     民族学校出身者の一橋大への受験資格を求める連絡協議会


 連絡先  民族学校出身者の京大への受験資格を求める連絡協議会 代表 李度潤
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