兵弁総発第122号 2003年(平成15年)6月19日

内  閣  総  理  大  臣 小 泉 純 一 郎 殿

文  部  科  学  大  臣 遠  山  敦 子  殿

中 央 教 育 審 議 会 会 長  鳥  居  泰  彦  殿

兵 庫 県 弁 護 士 会 会 長  麻  田  光  広  

同 人 権 擁 護 委 員 会 委員長  松  本  隆  行     

勧 告 書

  第1 勧告の趣旨  

   日本国内の朝鮮・韓国人学校高等部など日本の高等学校と同程度の教育実態を有すると判断される外国人学校を卒業した生徒に対し、国立大学の入学資格を認める取り扱いをされるよう,勧告します。

 第2 勧告の理由  

   文部科学省は,外国人学校卒業生の国立大学入学資格に関して,英国及び米国の民間評価機関の認定を受けたインターナショナルスクール卒業生に限って入学資格を付与する旨の方針(以下「本件方針」と言います。)を表明し,2003年3月6日に開催された中央教育審議会大学分科会に報告,同会においてこれが了承されたことを受け,同月末に告示を改正し,同年4月より本件方針を施行すると発表しました。

  これについて,当会は,同年3月20日,神戸朝鮮高級学校校長,学父母代表及び学生代表から、本件方針が「露骨な民族差別であり,本校の教員,学生,学父母に対する重大な人権にあたる」として,人権救済の申立を受けました。 その後,同省は,同年3月末に本件方針の施行を凍結し,現在に至っております。

  日本の公立大学及び私立大学の約半数は,朝鮮・韓国人学校高等部卒業生に対して受験資格を認めていること等からして,同卒業生らが,日本の国立大学へ入学するための学力レベルにあることは明らかで,同卒業生らとインターナショナルスクールの卒業生らとの間で扱いを異にする合理的理由はどこにも 見当りません。 まして,欧米の民間評価機関の認定の有無によって,日本国政府が,在日外国人卒業生の入学資格に関する取り扱いに差異を設けることに,何ら合理性はありません。

  この問題に関して,日本弁護士連合会は,1998年2月20日,時の内閣総理大臣及び文部大臣に対し,「日本国に在住する外国人が自国語ないし自己の国及び民族の文化を保持する教育をする学校と大学校及び卒業者について,日本国の学校教育法第1条の各義務教育課程,高等学校教育,大学に相当する教育を授受しているものにその資格を認めず,法律に根拠を持つ公的な資格を認定する試験を受験させないことは重大な人権侵害であり,かかる自体を速やかに解消させるべきである。」と勧告しており,さらに本件方針についても,2003年3月17日に会長声明として,国連各委員会に日本国政府への「懸念と勧告」を引用しつつ,「朝鮮学校など日本の高校と同程度の教育実態を有すると判断される外国人学校卒業生に対するっ国立大学の入学資格制限撤廃し,在日外国人の教育を受ける権利を広く保障することを強く求め」ております。

  当会としましても,文部科学省の本件方針は、日本国憲法,国際人権規約,人種差別撤廃条約,子供の人権規約に抵触するものと考え,インターナショ  ナルスクール卒業生と同じく、朝鮮・韓国人学校高等部など,日本の高等学校  と同程度の教育実態を有すると判断される外国人学校を卒業した生徒に対し ても,国立大学の入学資格を認める取り扱いを直ちに実施されるよう,強く勧告します。 以上

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