朝鮮大学校卒業生及び卒業見込みの在学生の保育士試験の受験資格について

　朝大には教育学部保育課（２年制）があるが保育士資格については、同校卒業生には現在まで法文上の認定根拠がないという理由で認めていない都道府県（例：茨城県）があった。卒業生には受験を認めてきた東京都でも在学中（２年生）に卒業見込みということで受験（試験は８月）することを認めてこなかった。一般の高校卒業生を入学対象とする２年制の各種学校には卒業見込みなら在学中（２年生）にも受験を認めているにもかかわらず、である。

これまでのこのような不均衡な状態も昨年１０月２２日に厚生労働省課長通知「福祉分野における各資格の受験資格等に係る各種学校の入学資格等の取扱いについて」により解決の目処が立った。今まで朝大は「一般の高校卒業生」ではない朝高卒業生を主な入学者としてきたことをもって一般の高校卒業生ら大学入学資格者を入学対象とする２年制の各種学校には卒業見込みなら在学中でも受験できるとする厚生労働省告示第163号（1988.5.28）を根拠に受験させることはできないとしてきたがこの課長通知によってその大学入学資格者と同等の学力を有するかの判断はそれを受け入れる各種学校の個別審査による判断で可能となったからである。したがってこの通知を受けた各都道府県は朝大卒業生および卒業年度の在学生から受験資格認定を求められればそれを否認できなくなるからである。

　この通知に基づき当事者達からの要請を受けた東京都は、遅まきながら２００４年１２月中旬、正式に朝鮮大学校生の卒業見込みの在学生にも受験資格を認めるという判断をし、１２月１５日付東京都福祉保健局少子社会対策部長名による社団法人全国保育士養成協議会（試験を所管する都道府県から試験事務の委託をされているところ）会長宛の「東京都保育士試験の受験資格について」という通知文によって明らかにしました。　

　　同通知文では朝鮮大学校を「『厚生労働省平成１５年１０月２２日通知』の１に定める各種学校として取り扱うこととする。なお、受験申請にあたっては、他の受験生同様、当該学校の卒業を証明する書類又は卒業見込みを証明する書類の添付を持って一連の手続きとするので、御了知願いたい」としています。（文責：金東鶴）